ニッタマカレッジ
理解してもらおうとしてますか?
今回は、相手や周りに理解してもらおうとしてますか?という問いを投げかけたいと思います。
営業活動を例にして書いていますが、仕事をする上で共通して要素だと思いますので、営業以外の方も、営業=自分に読み替えて見てみてください。
営業が越えるべき顧客の壁
営業活動の中で顧客に何か提案した際に越えるべき壁は、上の表のとおり4段階あります。
①伝えたか? → ②理解してもらえたか? → ③動いてもらえたか? → ④決済を得られたか?
実際の営業時には、これらのステップを1つずつ踏まなくても受注や契約を獲得できる場面もあるかもしれませんが、基本的な概念としてこのステップを理解しておいた方がいいでしょう。
例えば失注時にどの段階でつまづいているのかという視点で見ることで、NoやNGの原因が特定しやすくなるため、次回以降にどう対策したら受注確率が上がるかが考えやすくなります。
また、この壁は社内でも同様に使えわれるステップです。
自分以外の人や部署に協力を仰ぐためには、伝えて理解してもらって動いてもらって決済を得る必要があり、そこまでいって初めて協力が得られます。
そして、最も重要なことは、理解の壁を越えられていないのに決済を得られることはないということです。手前の壁を1つずつ乗り越えないと最終目的にたどり着けないということですね。
ということは、第1、第2の壁である「伝えること」「理解してもらうこと」は当然にできないと決済や協力を得ることはできないということですが、この「理解してもらえたか?」の壁を乗り越えようとしているのか、とても疑問に感じる場面があります。
何に疑問に感じるのか?
決算報告会の際、資料作成をしておらず、視覚で相手に伝わるような準備がされていない場面が見受けられ、そのようなスタンスで本当に「理解してもらおう」と思っているのか疑問に感じています。
もちろん、わかりやすくデータをまとめている部門やユニットもありますが、すべて口頭で説明されている場面も見受けられます。
決算報告会は社内で行われることなので、何日も何日も準備するなど、多大なリソースは割く必要はありませんし、そうするべきでもありません。ですが、普段から「理解の壁」を越えようというつもりがあれば、社内向けであろうとその行動や準備は行われるはずだと思います。
そういう準備はしていないけど、仮に普段から理解の壁を越えようとしていると言うのであれば、本当にそれが理解に繋がっているのか見つめ直したほうがいいです。
口頭の報告がいかに伝わりづらいか
まず以下の文章を、できればあなたは自身は見ずに、誰かに読んでみてもらってみてください。つまり聞くだけで理解しようとしてみてください。
もし読む人がいなければ、文章を自身で読んでみるでもいいです。
2023年度第3四半期の売上を報告します。今期の売上が4兆5,116億円で、前期の4兆3,455億円に比べて4%増加しました。内訳としては、コンシューマ事業が2兆1,218億円、前期の21,277億円と比較し0.3%減少。エンタープライズ事業は5,764億円で前期の5,509億円と比較し5%増加。ディストリビューション/その他・連結調整事業では4,430億円、前期の4,096億円から8%増加。メディア・EC事業は1兆1,995億円、前期の1兆1,696億円から3%増加。ファイナンス事業は1,709億円で前期の876億円から95%増加しました。コンシューマ事業を除く4事業が増収となっています。
ソフトバンク株式会社 2024年3月期第3四半期決算説明会資料より作成
どうでしょうか?
この文章はソフトバンク株式会社の2024年3月期第3四半期の売上説明を文章化したものです。
何がどうなっていて、どう良いのか、悪いのか理解できたでしょうか?
次に、以下の表を見てみてください。
先ほどの文章と同じ内容を表にしたものです。
聞かされたり文章化されたものより格段にわかりやすいのではないでしょうか?
次にこのグラフを見てください。
表よりさらにわかりやすく、「4事業が増収」という伝えたいことがシンプルに表されています。
どれが一番伝わりやすかったでしょうか?
まとめ
営業や社内で越えるべき壁は、伝えて理解してもらった後にも、実際に動いてもらい、意思決定(決済)をしてもらうというさらに高い壁が待ち受けています。
そう考えると、理解の壁は当たり前に越えられるくらいにならないと成果を上げたり協力を得ることにいつまでも苦労するのではないかと思います。
頑張っているつもりでも成果が上がらないというのは辛いことです。心当たりがある場合は今一度「何を頑張るべきか」見直すことをお勧めします。
第6回のニッタマカレッジで、伝え方(アウトプットの方法)について解説しますので、そこを見直したいと言いう方はぜひ参加してみてください。
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